豊田市のおいでん祭のおいでんとは、三河弁で、 「 おこしやす!! 」とか、 「 よくお越しくださいました!! 」 という
意味である。 祭の行われる豊田市は、江戸時代には挙母藩の城下町だったが、トヨタ自動車の進出により、挙母から名前を変えた
という企業城下町である。 この祭は、これまでの地元の盆踊りのような豊田まつりが若い人に飽きられていたのを変えようと、
1989年に始まった祭である。 参考にされたのが、高知県のよさこい祭りで、誰にでも気楽に
参加できる祭を目指し、おいでん総踊りとしてスタートした。 祭を
成功させるには、市民の中心をなすトヨタ自動車の社員の協力が必要で、社員団体の参加を働きかけ、年々参加者の数を増やして
きた。 豊田おいでんまつりの名称やおいでん総踊りのテーマ曲・おいでんは、市民の公募による、という。 現在ではトヨタ
自動車を始め、関連企業の社員団体から地元小学生までの幅広い年齢層が参加する、豊田市の一大イベントとなっている。
七月の最終の金〜日曜日に開催
され、金曜日と土曜日がおいでん総踊り、日曜日は花火大会が行われる。 最近では、参加者が多すぎて、会場に収容することが
難しくなった、と開催担当者はうれしい悲鳴をあげていた。 祭のフィナーレを飾るのが、トヨタスタジアムに近い、矢作川で
打ち出される数万發花火で、なかなか見ごたいがあった。 この祭の一週間程先には、トヨタ自動車や関連会社の長期夏季休暇が
始まり、全国各地から集まっている社員は、お土産を片手に親や親戚がいる故郷に里帰りをしていく。 そういう意味でも、
この祭はその年の思い出に残る行事なのである。
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